FLINTERS Engineer's Blog

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実験レポート:「学びの仕組み」としての社内読書会

スクラムマスターの貫名です。

3月も最終日ということで、この半年間続けてきた社内読書会についてちょっと振り返ってみようと思います。

先に言っておくと弊社で実施している読書会は大学発教育支援コンソーシアム推進機構にて紹介されております知識構成型ジグゾー法という手法をアレンジし、毎週火曜のランチ時間に有志で集まり開催しています。

(私はこれを普段から仲良くして頂いている川鯉さんから教えて頂きました)

読書会を企画した経緯

シンプルに、自分が業務で成果を出すには学習が必要だと感じたからです。

10月から会社での役割がScrum Masterになり “自分が組織においてどういう立場をとりたいか” について、当時の自分が明確な意図を持てていないことに危機感を覚えたのが一番だったなと思います。そもそも、組織論を体系的に学んだことはありませんし、そういったことをじっくりと考えることも自体少なく、経験だけを頼りにここまでやってきてたようなものだと思います。

それもあって、考えるトレーニングや実践からの学びを深掘りする場も兼ねて、書籍からひとつの理論なり考え方をインプットし、複数人で現場と照らしながら対話する実験的な場として始めました。

3人で小さくスタート、けど選んだ書籍は重かった

最初に選択したのが「学習する組織」でした、これがともかく重たかった… f:id:yhmcr999:20170401000135j:plain:w300

なぜこれを選んだかはほとんど覚えていませんが、Amazonの書評しかり、その他ネット上での評判しかり、良さそうだからこれで良くない?って感じでほぼ3人のノリで選んでいたと思います。個人的にかなり良書だったのですが、とにかく重たい。元々読書とか得意でない自分にとっては一人だったら挫折してただろう書籍でしたが、3人で分担して読み進めたお陰でまず一通り読み切ることが出来、小さな成功体験を積めたのでした。

人が増え、書籍の選び方も多様に

「学習する組織」は正直2ヶ月近く続けることになったのですが、この実験を更に広げることにしました。

やったのはシンプルに社内広報なわけですが、12月の「Team Geek」8人、1月の「ユーザーストーリーマッピング」9人、2月の「エクストリームプログラミング」8人、3月の「ジョイ・インク」11人と、続けることで、参加者の増加や入れ替わりも生まれ、課題図書のバリエーションも増えていきました。

ちょっとした転機は1月に起こりました。

組織論を学ぶことから始めたわけですが1月はこれとは直接関係がないテーマの書籍でした。この時の参加者が読書会で学んだ内容をチームに持ち帰り、実践し始めるという状態が起きました。「学んだことをそのまま仕事に実践する人が出た」ことがシンプルに嬉しく、これを続けると組織にとっての強みになるのでは?と思うようになりました。

学びの仕組みにとって大切なこと

継続すること自体を目的にするつもりはありませんので、参加者が3人を下回ったら実施しないとゆるく決めてます。

良くも悪くもゆるく気楽に運営しているわけですが、「1人で本を読むこととは “違う学び” が得られる場」であることにはこだわりを持っています。自発的に人が集まり対話が生まれれば、少なくとも自分と違う考えに触れたり、自分の考えを説明する機会が生まれます。その点では、自分だけでなく相手の学びに協力する立場をとることはとても効果的と言えそうです。

今はこれらの場を意図的に作ろうとTRYしていますが、これが自然に起きてくればそれが結果として「学習する組織」になっているのかも…とかとか思いながら、今後もゆるく継続していきたいと思います。

あと「分かったつもりにならないこと」は大切なので自戒の念を込めて記載!
強みづくりの1つとしての「学習する組織作り」はまだまだ続きます。